手を動かすこと。

この前、大工のスドウさんちで打ち合わせをしていたとき、
お風呂解体のときの話になった。
 
「やってみてどう?大変だったべ?」
「はい・・・。でも、やってみてよかったです」

「家の構造がわかったから?」
「いやー、まだそこまでは・・・」
 
いまのところ、私たちがやったこと。
お風呂の床を解体して、砂壁を剥がして、コンクリートの床を作って、
漆喰を混ぜて、塗った。
 
こうやって書いてみると、実にあっけない。
だけど、どれも貴重な経験だった。
 
私の頭の中には、なんとなく「不安なこと」がいつもあって、
本当は、あまりボジティブな人間ではないのかもしれない。
漠然とした不安も、現実的な不安も、いろいろ。
時々それは大きくなって、ぐるぐるまわる。
 
だけど、DOORzを作っていく中で、気付いた。
 
お風呂を解体したり、コンクリートを混ぜたり、漆喰を塗ったり、
手を動かしているときは、そんな不安も消えている。
目の前にある仕事を片付ける。そのことしか考えない。
 
あまり器用な人間でもないので、
初めてやる作業は、けっこう必死なんだろう。
そして作業が終わると、
頭だけで考えてもだめ。
不安でも何でも身体を使って、動くしかない。
ということに納得している。
 
このことがわかったから、
やってみてよかった、と言えた。
 
たとえ上手にできなくても、
やり方を知っていれば、もう一度やり直せるわけで。
 
壊れたら、直せばいい。
汚れたら、塗り直せばいい。
 
ずっと完璧を保つことを目指さず、
緩やかに変化していくことを受け入れ、
自分ができることを少しずつ増やしていけば、
ときどき涌き上がる不安も、軽くなるかもしれない。

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