めぐりたびのススメ(仮) vol.2:那須屋商店 ターさん&ヒロミさん

第2回目となる『めぐりたびのススメ(仮)』
今回は芦野の酒屋『那須屋商店』の店主ターさんと、奥さまのヒロミさんにお話を聞かせていただきました。

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お酒好きな私は個人的にもお世話になっていますが、那須屋さんはDOORzのゲストさんにも、ぜひとも訪れていただきたい場所なのです。
 
アサミ(以下、ア):では・・・ここのお店について少し紹介していただいていいですか?
ターさん(以下、タ):はい・・・お店の紹介。
(ご夫婦で顔を見合わせて、)
ヒロミさん(以下、ヒ):コンセプトみたいなこと?
ア:はい。
タ:なんだろうね。
ヒ:いろいろあるんじゃない?ターくんが利き酒師であるとか、自分たちがお金を出して買ってもいいと思うお酒しか置かないとか・・・。おいしいのは当たり前でなきゃいけないと思っていて、プラス、お客さんと会話して満足して帰っていただけるというのを目指しています。
タ:お客さんにおいしいものを知ってほしいし、本物を知ってほしい、あとは・・・笑顔になってほしいんだよね。お酒だったらどこでも買えるけど、うちじゃなきゃダメというか、普段アサミちゃんも言ってるけど、人とのつながりだと僕も思っているので・・・
ヒ:お客さんとちゃんとつながっていたいというのがあるから、ネット販売はしてなくて、あくまで対面商売。芦野に足を運んでいただきたいっていう感じかな。
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芦野にお店を構えて、ターさんは4代目だそうです。現在の那須屋さんができるまでは、どんなお店だったのでしょうか。
ア:このお店ができるまでの歴史をお聞きしたいのですが・・・もとから酒屋さんだったわけではないんですよね?
タ:ではなく・・・うちの曾おじいちゃんの時代に、呉服屋さんからはじまったんですよ。着物なんかを行商して歩いてて、お酒なんかも扱ってたんでしょう。それをお爺さんの時代になってちょっと広げて。スーパーなんかなくて、物があんまり手に入らない時代の、小さい百貨店みたいな感じかな。それをお母さんたちが継いで、僕の代になって、正直着物とかみんな着なくなったから、もう得意分野というか、お酒がいいかなと感じて、いま僕が酒屋をやっているという感じですね。
ア:こういう形になったのは、最近なんですね。
タ:ほんとに(お酒は)一部しか扱ってなくて、その商品がいまの時代にそぐわなくなってきてて・・・。がんばってるメーカーさんを見つけて、ほんとにおいしいところを選んで、今の商品ラインナップにしています。
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お酒をメインに扱うようになった那須屋商店。ターさんの「利き酒師」とは、どんなお仕事なのでしょう?
タ:よく日本酒の銘柄をあてるっていうイメージだけど、そういう仕事ではなくて。あくまでもお客さんの目線に立って、その人の好みにあったお酒を提供するとか、今日こんな食事にするからこういうお酒をくださいって来られたときに、合わせられるお酒を知っているのが利き酒師かな。たいていその人の好みを覚えて、それに合った商品を提供するというか、飽きさせない工夫をしています。
ア:ひとりひとりですか?
タ:うん。たとえばアサミちゃんだったら、この間飲んでもらった日本酒を甘いって言っていたから、どのくらいだったらいいだろうって頭の中で献立を組んでおいて、今日はどんな感じがいいですか?って聞くような・・・そういう仕事だね。
ア:へぇぇぇ。
ヒ:こういう傾向が好きっていうのは、何回か買っていただいていればわかるので、これが好きだったらこれもいいんじゃないかとか。
タ:「あれが美味しかった」というのを覚えておいて、「じゃそれと違うやつで」って勧めるのもおもしろみがあるでしょ?そんな感じです。
ア:酒屋さんっていうのは、みんな利き酒師の資格を持っているんですか?
タ:いや、そんなことはないです。任意ですね。自分のスキルアップのためにとるというか。勉強しといた方が、確実にプラスになりますね。お客さんのために役に立ちたいというか、いいものを提供したいというのが根底にあるのかな。
ア:なるほど。知らないまま、売れないですもんね。
タ:うん。それもあるし、わかっていた方がメーカーさんにとっても、いいのかな。「おいしい」とかじゃなくて、酒造りに関してだったり、米に関してだったり、使う水に関してだったり。いろんな工程を踏んでいくわけだけど、頭の中でわかっているのと現場は違うからね。それをメーカーさんとか見学させてもらって、自分のところで、こういう体験をしてきたので安心して飲めますよっていうのを語ることができるっていうのかな。ただ「おいしいよ!」だけだと、物語の背景がみえないでしょ?
ア:うんうん。この人が勧めてくれるんならって、感じて買えますよね。
タ:ラベルで日本酒を飲んでほしくないっていうのがあるんですよ。同じメーカーでも種類や季節によって味わいが変わってくるからね。たとえば「今日は鍋やるからこのお酒」っていう人に、「こっちもおいしいですよ。お燗にして、鍋に合わせてみてください」って、視野を広げることができるっていう立場なのかもしれないね、利き酒師というのは。
 
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いつもお店にくると、ご夫婦で迎えてくださる那須屋さん。夫婦でお店を営むいいところは、なんでしょうか?
ヒ:うちの常連さんは、ご夫婦で来てくださる方が多いんだけど、男も女も両方がいるっていうのが、なんとなくお客さんが安心するのかなと思います。異性だと居心地わるく感じることもあるかもしれないけど、ご夫婦で来られた場合に、女性どうしの通じる話も、男性どうし通じる話もできるので。
ア:確かに、二人ならいろんな方に対応しやすいですよね。
タ:うん、そうですね。
ヒ:けっこう私とターくんも性格が違うから、この人だったら私のほうが感覚が近いなとか、この方ならターくんが説明する方がいいなっていうのも、もちろんあるし。あとは、あんまりお酒に詳しくない方も、買い物に来やすいって言っていただいたことがあります。大きいお店に行っても何買っていいかわからないし、何聞いていいかわからないけど、二人いるから聞きやすいのかなって。
ア:若いお客さんもいますか?
タ:来ていただいてますね。
ヒ:20代くらいかな。カップルでいらっしゃいます。
 
そんなお客さんとの関係をとても大切にしているところも、那須屋さんのすてきなところ。
タ:コンセプトというか、最初思ったことはあくまでもお客さんの満足度、あとは人とのつながりだから、楽しく商売やって笑顔になって帰っていただくっていう・・・それは崩したくないから、どんなお客さんでも差をつけたりはしないっていうか。
ヒ:うんうん。
タ:例えば、1万円買ってくれるお客さんも、千円買ってくれるお客さんも同じ対応をする・・・それは絶対守りたいところ。ほんとにお客さんを大切にしたいというか、逆にお客さんに守ってもらってるっていうイメージが今でもあるからね。
ヒ:うん、ある!すごく支えていただいてる。地震の後とかもね、こっち(那須)は危ないから来ないって言われることも覚悟していたけど、常連さんみんな来てくれたもんね。一年以内には、みなさんお顔見せてくださって。
タ:お見舞いっていう感じで来てくれて、東北を応援したいから東北のお酒を買うことで応援するからねって。それはすごくありがたみを感じました。
ア:理解してくださっているんですね。
ヒ:いいお客さんに恵まれてると感じてます。
タ:東北の(酒造)メーカーさんもすごい被害を受けていたけど、物を買っていただくことが支援につながりますって聞いてたから、こちらも頑張って売りますって。それを理解してくれるお客様が多かったから、うちも助かったし、東北のメーカーさんもお客さんによって守られたなって。それはすごく実感して、今でもありがたいと思うね。
 
那須屋さんに置かれているお酒は、どれもお二人が納得して、自信を持ってお勧めできるものばかり。最初にお酒を選ぶときは、どうしているのでしょうか?
ア:ここのメーカーさんのお酒を置こうって、どうやって決めるんですか?
タ:そこのお酒を飲んでみて、おいしかったら電話して、会っていただいて、蔵や作るところを見せていただいて、
ア:そこまでするんですか・・・
タ:そう。向こうの方も、どういうところでうちの商品を扱ってくれるのかなっていうので、お互い行き来して、ここだったら大丈夫っていうのをお互いにね。
ヒ:基本は栃木県内や福島のメーカーさんだね。東北のお酒に関しては、問屋さんを通して展示会とかで試飲できるときがあるので、それで気に入ったものを仕入れたり。そういうときは、メーカーさんも来てるのでお話ししたり。
ア:おいしい、だけで決めるんじゃないんですね。
タ:おいしいだけじゃだめです。やっぱり気持ちは入るからね。どこいっても感じるのは、利益重視じゃなくてうちの良さをわかってほしいとか、うちのお酒はこういうふうに作っていますっていうのを、自信を持って言えるところ、そういうところを応援したいというか。世代交代が出てくるから、若い人に代わって「僕はこうしたいんです」っていう熱い思いがあると、やっぱり応援したくなるしね。頑張ってるところって、おいしいんですよ。勉強してるというか。
ア:やっぱり、人なんですね。
タ:うん。お酒だけじゃなくて、そこも人ですね。
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これからの那須屋商店は・・・?その未来についてお聞きしました。
ア:これからこのお店をどうしていきたいとか、なにかビジョンはありますか?
タ:僕的には、今と同じスタンスで守って行ければ一番いいかなと思ってますね。大きくしようとかそういうことではなく、一人一人のお客さんを大切にしていれば、ほんとに守ってくれるっていうか。お客さんもいい関係でつながってきてると思うので、それさえ崩さなければいいかなと。これからどうするっていうのではなく、今までどおりを貫くというか。
ヒ:もちろんもっと良くして行きたいっていうのはあるけれど、私たちの姿勢は変わらず・・・ね。
 
こんな気さくな那須屋夫婦のお店。だからこそDOORzにいらしたゲストさんにも、イチオシなのです。
ア:最後に、まだここに来たことのないお客さんへ一言お願いします。
タ:うーん。。。お酒もなんだけど・・・なんか楽しいからきてください、とか。笑
ヒ:そうそう。そんな感じ。
ア:あはは。話しにくるだけでもいいんですか?
ヒ:全然大丈夫。
タ:旅行に来た方とお話したいっていうのが、あるからね。
ヒ:私が山形にいったとき、酒蔵の人も、街の人も親切だったのが印象に残ってて。キョロキョロってしてたら、おばちゃんが出てきて「なに迷っちゃったの?どこいきたいの?」って教えてくれたりとか。そういうのがこの土地の人は自然にできるんだなぁって。私たちも来た人にそういう風にしたいって思うよね。
タ:せっかく旅行にきたんだから、楽しい思いして、あそこよかったねって帰って行ってほしいよね。
ヒ:そうそう。それでふとしたときに、また足を運んでもらえたら嬉しいし。
ア:お酒飲めなくても大丈夫ですね。
タ:大丈夫です。道聞きにくるだけでも。
ヒ:「あそこの店がよかった」じゃなくて、「芦野よかった」って、最終的にそうなったらいいなって。
タ:だから観光案内もね。いろんな穴場を紹介していきたいんだよね。
ヒ:それこそ、アサミちゃんが作りたいって言ってる「芦野マップ」。そういうのすごくいいと思う。
ア:じゃあ穴場を聞きにきますね!
ヒ:あはは、那須屋的穴場。マニアックなのをね。
ア:私もがんばります〜。今日はありがとうございました。
 
みなさんもぜひ、那須屋商店のお二人に逢いに行ってみてくださいね☆
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合同会社 那須屋商店
住所:〒329-3443 栃木県那須郡那須町大字芦野2725-5
電話番号:0287-74-0005
営業時間:AM8:00-PM8:00 毎週月曜定休
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めぐりたびのススメ(仮) vol.2 那須屋商店 ターさん&ヒロミさん 完
 
 
【本日のおまけ】
この後、実際に「那須屋的穴場」をいくつか教えてもらいました。
知らないことばかりで、さすが芦野を知り尽くしていらっしゃる!
私もゆっくり芦野散策をしたいと思いますので、その模様はまた後日ご報告しますね〜。
 
ちなみに・・・
那須屋商店のご夫婦は、大の漫画好きでございます!!
そちらにもとても詳しいので、お好きな方はぜひお話してみてくださいね。
 
取材を申し込んだとき、那須屋さんからは「顔出しNG」と言われていたので、お二人の顔写真を加工してお面を作った私。
漫画カメラのアプリで加工したのですが、ターさんの顔が似ても似つかない出来に!!
ターさん、ごめんなさいっ!ヒロミさん爆笑してます。
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結局、顔出しの許可をいただき、お面と一緒に撮影。ちょっと申し訳ない気分です・・・
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ターさん、ヒロミさん、無理なお願いをきいていただき、アリガトウございました!!
次はもう少し完成度の高いお面を作りますんで(笑)

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