めぐりたびのススメ(仮)vol.5:芦野のくつろぎカフェ、『隠居の間』のホシダさん

めぐりたびのススメも今回で5回目。
2014年最後の取材は、芦野の三光寺さん前にカフェ『隠居の間』をオープンしたばかりのアシノビトのホシダさんにお話を伺ってきましたよ〜!

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 〜農家さんありきの季節のケーキ。食べるだけじゃもったいない。〜

 アサミ(以下ア):えーと、隠居の間について、どんなカフェなのか簡単に教えていただけますか?
ホシダさん(以下☆):まずケーキをつくる前提として、知り合いの農家さんから果物を送ってもらって、それを食べて何作りたいか考えて、作りたいものを作って、食べていただくっていう・・・ちょっと押し付けがましい感じですけど・・・(笑)
ア:いやいや、そんなことないです!
☆:あはは。作りたいものを作って、食べていただけたらなというのはありますね。
ア:季節によって、出てくる果物が変わって行くんですね。
☆:そう。今はりんご農園さんだけど、あと数週間で品種も変わってくるし、酸味も味も食感も全部変わってくるから、本当はりんごだけでも2月くらいまではいけるんだけどね。
ア:へぇ〜!
☆:でもいろんな農家さんとコラボしていきたいので、洋梨とかもいれて柑橘類に今後はいこうかなと。農家さんありきで作っていきたいなというのはあるかな。
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ア:なるほど。あと、お菓子を作る時間もあるんですよね?
☆:本当はそれをメインにしていきたいなと思っているんです。ふつうに食べていただくのもいいんですけど、なによりも作るのが楽しいので。作っている過程、混ぜるとか泡立てるとか、その生地の見た目がおいしそうとか、焼いているときに膨らんでくるあのワクワクな感じとか・・・私はお菓子をつくるのが好きなので、これは一緒にやったらきっと楽しいだろうと。初めての人でも一緒になら作れるし。
ア:あ、作ったことなくても大丈夫なんですね。サプライズで誕生日ケーキを作りたいとかも、OKですか?
☆:もちろん。一人で作って、明日が本番なのに失敗しちゃった!とかあるじゃない?それをサポートしてあげられたらいいかなと。
ア:いつぐらいから始まりそうですか?
☆;予約制で、1月くらいから始めさせていただこうと思っています。
 

〜OLだった頃。好きなことをしてバランスをとっていた〜

ホシダさんとはアシノビトとして2年以上のお付き合いになりますが、実はまだまだ知らないことがたくさん。今日は思いきって、いろいろ聞いてみることにしました。
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ア:ホシダさんの今までの経緯というか、昔の話もお聞きしたいです。
☆:ながいよ〜!!笑
ア:だって星田さんって、そんなこともやってたの!?っていう話がたくさんあるので・・・最初は栄養士さんだったんですよね?
☆:うん、でもそれは経歴に残らないくらい短くて。そのあとすぐにOLになったの。私は中学生位からケーキ作るの好きで作ってて、職場の定年間近のおじいちゃんとかにもケーキ焼いて持ってったりしてたの。そしたら『ホシピー、ケーキ好きならオレの友達がケーキの先生だから!』っていわれて。でもケーキの先生ったって、そんなねぇ・・・と思ってたら、すごい先生で。シェフの間では有名で、もうおじいちゃん先生だけど、当時フランスに行って、ムースというものを初めて日本に持ってきて広めた先生で。まあ一緒にカラオケ行ったのが始まりなんだけど。
ア:エエーッ!カラオケですか。あははは。
☆:それからは東京でOLやりながら、土日は先生のプライベートレッスンのアシスタント。セミプロとか、製菓学校とかの臨時講師をしていたからそれについていったりとか。
ア:えー、毎週!?
☆:うん、ほぼ。でも隔週になったり。先生の都合によってだけど。何かしら月3、4回は行っていたね。楽しかったよ。私、事務職とか嫌いじゃないんだけど、やっぱり偏っちゃうから、好きなことを土日にしてバランスとってたんだろうね。それでまあ、ずっとOLしてて、おばあちゃんが亡くなったのがきっかけだったかな。家族が減るって寂しいなって思って、帰ろっかなって。でも、地元じゃ仕事がないから、自分で仕事を作らないといけないって考え始めたの。
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〜カフェで修行ののち、Uターン。はじめての農業へ〜

☆:今までずっとケーキをやってきたけど、その頃、コーヒーがものすごい好きでね。おいしいコーヒーって何だろうって思って、都内にあるビーンズショップをまわって、いろいろ聞いたんだよね。おいしいコーヒーってなんですかって。そしたらほんとにいろんな答えが返ってきて・・・最終的に辿り着いた店のマスターが、『農産物だから、おおもとの豆がよくないとだめだ』って、初めて言ったの。実家も農園だったし、そうだよね、素材ありきだよねって、すごくしっくりきて。
ア:コーヒーも農産物・・・確かに。
☆:当時あんまり農園にこだわる人なんていなかったから、この人は食べ物に対していろんな面で、ほんとにわかる人なんだなぁって思って。本当は焙煎を学びたかったけど、一年くらい待って、事務としてそのカフェに入ったんだ。それから、やっぱりケーキを作りたいですって、系列のケーキ屋さんに入ったの。帰ったらカフェをやりたい気持ちはあったから、ケーキつくって身体慣らそうと思って。
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☆:でも、帰ってきたらカフェどころじゃなかった。実家の農業手伝っていたんだけど、とにかく農作業に身体が慣れなかったから、必要な筋肉ができるまではつらかったよね。まだケーキ屋さんで筋肉付けてたから助かったけど、事務職から農業だったら、すぐさまリタイアしてたよ。
ホシダさんのご実家は『天宮農園』という、椎茸、百匁柿、すももなどを生産している那須地域ではとても有名な農園。東京からUターン後は、ご両親と共に4年ほど農業に携わっていたそうです。
ア:それまでは農業は全然?
☆:全然やらなかった。ちっちゃい頃は椎茸の菌入れとか、バイトでやってたよ。1000コマ入っている椎茸の菌のコマを、1000個いれると1000円もらえるの。あとは柿の選別とか楽しいからやってたくらいで。やったことがないことって、できるだろうって思っちゃうけど、いやー、キツかったね。その頃、ちょうど若い農業者がはやりだして。マルシェが始まって、いろんなチームが立ち上がって、全国的に農業見直し、若い生産者にスポットがあたった年だった。
ア:なるほど。農業のイメージが変わってきた頃ですね。
☆:ちょうど2007年頃だね。2008年からは『農家のせがれ地元カンパニー)』とか、東京で実家が農家の人たちが立ち上がりだしてきて。ブームの時だったから、いろんなマルシェに出させてもらったり、雑誌にとりあげてもらったり、倅仲間の紹介もあって、一人でこなせるくらいのネット販売もしていたよ。
 

〜農家時代の4年間が、カフェ立ち上げの力になった〜

ア:自分のお店を持とうと思ったのはいつですか?
☆;わざわざ遠くのマルシェに出るよりも、那須でクローチェさんのクローチェバザーとか、無農薬野菜の成沢菜園さんの直売所に置かせてもらった時の方が、適正価格でわかって買ってくれる人が多かったんだよね。それで近場に力を入れようと思って、東京に行かなくなったの。この近辺のマルシェにいっぱい出て、そうすると今度は農園に行ってみたいって言われてね。
ア:それは嬉しいですよね。
☆:でも、受け入れ態勢もできてないから、受け入れる場所が必要だと思って、おじいとおばあが住んでいた隠居を片付けて、『隠居の間』って名前をつけて。一年中あるのは干し椎茸しかないんだけど、農園に来てくれた人が干し椎茸はいつも買える状態にしとこうと思ったの。飲食店をやるには大きな工事が必要だったから、とりあえず直売みたいな感じで、ちょっとゆっくりしてもらえるようにしておこうと。ワークショップで苔玉を作ったりとか、盆栽作ったりとか、リース作ったりとかイベントもやったよ。そこに集まる人たちが、次に何かを一緒にやってくれたり、一緒に活動し始めることもあって、那須近辺のいろんな人に出会えたんだ。
ア:星田さんって、ほんとにつながりが多いなぁと思ってたんですが、農家時代のつながりなんですね。改装の時もいろんな人が手伝いに来ていましたよね。
☆:うん。農家時代の4年間が、今回の立ち上げにすごく力になったね。やっぱり震災があって(椎茸の出荷ができなくなって)、やってきたことが全部真っ暗になっちゃったときに、みんながすごい心配してくれて・・・。さんざん出歩いてたからね、干し椎茸もって。その干し椎茸がダメになっちゃったっていうので、やっぱりすごいへこんだしね。それをわかってくれて、みんな気を遣ってくれてたし、応援してくれてた。だから改装も、いろんな方がお手伝いに来てくださったのかな。
ア:みんな2年くらいその想いをずっと持ってたんですね。
☆:あはは、やっと立ち上がったか!みたいなね。本当にたくさんの方にお世話になりました。
ひとつひとつの出会いを大切に、未来に繋げていくホシダさん。震災を乗り越えて、新しい一歩を踏み出すのを、みんなが待っていたんですね。
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 〜いつか農業に戻りたい。最終目標は80歳で・・・〜

ア:星田さんと『隠居の間』の、これからの展望を聞かせてください。
☆:私、最終的には農業に戻りたいなと思っているの。ケーキ作るのは好きなんだけど、それよりも木に登っている時間が好きで。身体はすっごいつらいんだけどね。最終的には戻りたいと思っているけど、その前にお悩み解決。ほんとにやっていけるのかって悩みは自分の中で解決していきたいから、各農家さんとつながって、各農家さんがどういうやり方をしてるのか、自分の身の丈にあった規模でやっていけるのか、考えていきたい。これからきっといろんなことが変わっていくと思うから、時代を見ながら。
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☆:食べ物って全部、農家さんがいないと手に入らないのに、そこが今つらい状況で辞めちゃったりしてるわけで、そこを解決していかないと、自分も安心して農業はできない。何をしたらいいのかっていうのは、問題が大きすぎて私もわからないけど、困ってることから解決していこうと思っているの。身近なものから、できそうなことから解決していった先には、いろんなことがつながるだろうと。今までもずっとそうなんだけど、止まったら何も進まないけど、一歩出るとほんとにわーっと見えてくるから、いきあたりばったりで進んでいこうかと。でも目指してるものは、農業に戻りたいってこと。そこをブレなければ、ちゃんと辿り着けるだろうなって。
ア:じゃあカフェはステップなんですね・・・それは知らなかった!
☆:あはは。いや、80歳になったらやるよ!最終目標は80歳でホントの隠居で本オープンだから。
ア:じゃあ、私もそれまで頑張んないと!最後にこれからお店を訪れる方へ、ひとことお願いします。
:なんだか自由で奔放で申し訳ございません。。。(笑)楽しんでいただけるとなによりです。80歳オーバーの方は、ぜひ縁側に座っていただけるとありがたいです。お茶をおいておきますので、ご自由にどうぞ!
ア:それは・・・看板よりインパクトあります。
☆:でしょ!
ア:柿を眺めながら、お茶飲んで。いいですねぇ。
☆;ふふふ。看板娘、募集中です!
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今回の取材でいつもはクールでお茶目、頼れるお姉さんなホシダさんの、ブレない芯の強さを改めて感じました。しかし、60近いおじさまとカラオケに行った二十歳のホシダさん・・・見てみたかったな〜(笑)
『隠居の間』には、カフェスペース以外に『貸し間』もあります。貸し間はギャラリー、ワークショップ、同じ趣味を持つ方の集い、アロマサロン、女子会、ママ会、編み物部、社外会議など、様々な形で利用できるスペースです。
貸し間の予定については、後ほどイベントカレンダーでご紹介いただけるそうですので、しばしお待ちを。
ゆったりと時間を忘れて過ごせるカフェ。そしてお菓子を自分で作ることもでき、時には気の合う仲間と集まったり、新しい出会いや発見のある場所。いくつもの顔を持つ『隠居の間』、芦野の新しい名所になること間違いなし!
みなさんも『隠居の間』のおいしいケーキと、ホシダさんに会いにきてくださいね☆
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隠居の間

住所:栃木県那須郡那須町芦野2833
電話番号:090-1886-3698
営業時間:金土日月 10:00〜17:00
Facebook:https://www.facebook.com/inkyonoma
web:http://tenguu.jp/blog/
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